Loading...
Loading...

幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)療法

¥0

(税抜)

幹細胞の培養過程において生じる上澄み液、すなわち「幹細胞培養上清液」には、幹細胞から発生する多種多様な生理活性物質が豊富に含まれております。この中には、「エクソソーム」と呼ばれる、特殊な顆粒状の物質が存在します。エクソソームは、細胞から分泌される微小な粒子で、その直径は50-150nm(ナノメートル)とされております。内部には、マイクロRNAや成長因子(EGF、VEGF、TGFB1など)、アミノ酸、ビタミン、ミネラル等が豊富に含まれ、これらは血管や皮膚の再生効果が高いとの報告があります。また、炎症を鎮める効果もあるため、美肌効果やアンチエイジング、そして体内に存在する体性幹細胞の活性化といった全身の再生を誘導し、美容と健康の両方に対する効果をもたらすことが期待されております。当院では治療効果の高さに定評があるヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)を使用し、局所注射、点滴、脊髄くも膜下腔投与の3つの経路より治療を行います。

お申込みには患者ユーザー登録とログインが必要です。
当院の受診が初めての方はこちら
※ユーザー登録後、ご希望の処置・薬剤をカートに追加し、診察予約へお進みください。
アカウントをお持ちでしたら、こちらからログインしてください
0
¥0

幹細胞の培養過程において生じる上澄み液、すなわち「幹細胞培養上清液」には、幹細胞から発生する多種多様な生理活性物質が豊富に含まれております。この中には、「エクソソーム」と呼ばれる、特殊な顆粒状の物質が存在します。エクソソームは、細胞から分泌される微小な粒子で、その直径は50-150nm(ナノメートル)とされております。内部には、マイクロRNAや成長因子(EGF、VEGF、TGFB1など)、アミノ酸、ビタミン、ミネラル等が豊富に含まれ、これらは血管や皮膚の再生効果が高いとの報告があります。また、炎症を鎮める効果もあるため、美肌効果やアンチエイジング、そして体内に存在する体性幹細胞の活性化といった全身の再生を誘導し、美容と健康の両方に対する効果をもたらすことが期待されております。当院では治療効果の高さに定評があるヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)を使用しています。

施術時間:約30分(局所注射・点滴)、約60分(脊髄くも膜下投与)

おすすめの治療スケジュール:治療開始時は週1回程度を目安です。その後は症状等を確認しながら投与間隔を調整し回数を減らすことができます。継続することで持続的な効果が期待できます。

注意事項:当日からシャワー、洗顔、運動は可能ですが、激しい運動や飲酒は控えてください。

【ヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)とは】
ヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)は、ステムリンク社が東京大学との共同研究により提供する幹細胞培養上清液で、ヒトの「脂肪」「臍帯(さいたい)」「歯髄」由来の幹細胞を培養して得られた上澄み液をミックスした製品です。幹細胞培養上清液は採取した幹細胞を培養する過程で生じる液体の一部であり、その中には幹細胞が分泌する成長因子、サイトカイン、エクソソームなどの生理活性物質が含まれています。これらの物質は、体内の細胞の修復や再生を支える役割を果たすとされております。複数の由来組織を組み合わせているため、単一由来に比べて含まれる成長因子の種類・量のバランスが良く、各種有効成分がバランスよく含まれた上清液となっています。

【期待される効果】
幹細胞培養上清液の投与は、全身にサイトカインを行き渡らせ、その量の減少を補うというアプローチを採っています。その結果、全身の細胞と組織の再生が活性化され、肌だけでなく、全体的なエイジングケアが可能となります。この治療法は、免疫力の強化と維持、炎症の調節、機能が低下した細胞の回復など多くの効果が報告されており、医療、美容、健康の各分野で研究・活用されています。
具体的には、皮膚の再生と肌質の改善が挙げられます。新しい皮膚細胞の再生を促し、弾力を与えるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進します。さらに、肌の新陳代謝を促進し、シミやくすみを改善します。
また、毛根にも作用し、毛乳頭からケラチノサイト増殖因子(KG)を生み出し、毛母細胞の分裂・増殖を促進します。これにより育毛、発毛、増毛効果が期待できます。
創傷治療においても有用で、真皮の幹細胞(線維芽細胞)を刺激し、増殖を促進します。これにより血流が改善し、傷や病気の治療を容易にします。
さらに、疲労回復、生活習慣病の予防と改善、心機能の改善による運動機能の回復、活性酸素の除去による全身のエイジングケア、ED(勃起不全)の改善、免疫バランスの調整、慢性疼痛の改善、脳神経系疾患の改善、その他の疾患の改善や予防など、幅広い効果が期待できます。期待される効果の具体的な機序は以下の通りです。

・炎症抑制作用(点滴・局所投与・脊髄くも膜下投与)
MSC培養上清は強力な抗炎症作用を示します。東京大学との研究では、リポポリサッカライド(LPS)で炎症刺激した細胞モデルに各種上清を添加すると、炎症性サイトカインであるIL-6の産生が大幅に低下しました。脂肪由来上清や臍帯由来上清ではIL-6値がおよそ50~60%低下し、歯髄由来上清では80%以上の低下(IL-6産生が2割程度に抑制)も認められています。トリプルエクソソームでも顕著な炎症抑制効果が報告されており、低容量でもIL-6産生を大幅に抑制しました。 この抗炎症効果は、上清中に含まれるエクソソーム内のマイクロRNA(miRNA)による遺伝子発現調節も一因と考えられます。実際、上清中のエクソソームには炎症関連経路を調節する多数のmiRNAが含まれており、それらのいくつかは炎症モデルで治療標的として注目されています。例えば、miR-23aやmiR-155は炎症時に増加することが知られますが、これらを標的抑制すると好中球による組織傷害が軽減され組織治癒が促進されることが報告されています。一方、miR-146aのような抗炎症作用を持つmiRNAも上清中に含まれており、NF-κB経路の抑制を通じて酸化ストレスと炎症を低減し創傷治癒を促進することが示されています。このように、培養上清は分泌因子とエクソソーム由来miRNAの両面から炎症を抑え、組織のダメージを和らげる効果が期待できます。

・糖尿病・代謝疾患への応用(点滴投与)
幹細胞培養上清液に含まれる成分は糖尿病に対する治療効果も示唆されています。とくに難治性の糖尿病性潰瘍(足潰瘍など)に対する創傷治癒効果が注目されており、上清中のエクソソームが運ぶmiRNAが関与する可能性があります。例えば、エクソソーム中に含まれるmiR-152-3pは糖尿病性足潰瘍における治癒遷延に関与することが報告されており、このmiR-152-3pを阻害すると創傷治癒が有意に促進され得ることが示されています。同様に、miR-92aやmiR-34aといった上清由来miRNAは糖尿病患者での血管機能障害や糖毒性による細胞障害に関与し、それらを制御することで糖尿病に伴う心血管障害の改善につながる可能性が報告されています。さらに、miR-15bはインスリンシグナル伝達の重要な調節因子であり、その発現抑制が肝臓でのインスリン抵抗性を改善する可能性が示唆されています。以上のように、培養上清のエクソソーム中のmiRNAは糖尿病の合併症改善や代謝制御にも寄与しうると考えられ、再生医療の観点から期待されています。

・皮膚疾患 創傷治癒へ期待される効果(点滴・局所投与)
皮膚の再生や創傷治癒分野でも、各種培養上清液の有用性が示唆されています。上清中には上皮細胞増殖因子のEGFや線維芽細胞増殖因子(FGF)など創傷治癒を促進する成長因子が豊富に含まれており、創傷部位の細胞増殖や血管新生を促すことで治癒を早める効果が期待できます。特にEGFは皮膚や粘膜の上皮化を促し、FGFやVEGFは肉芽形成や血流改善に寄与するため、慢性創傷や潰瘍の治癒促進に有効と考えられます。また、上清にはヒアルロン酸やコラーゲンなど皮膚の組織修復・保湿に関わる成分も含まれており、損傷組織の保護やリモデリングに寄与すると考えられます。実際、エクソソーム中のmiR-146aの働きにより炎症を抑制することで創傷治癒が早まった例や、miR-34aを標的としたアプローチで加齢に伴う歯周炎症(歯周病)を改善した報告もあります。このように、幹細胞培養上清およびそのエクソソームは皮膚疾患(難治性潰瘍、炎症性皮膚疾患、歯周病など)に対する再生治療にも応用が期待されており、現在臨床研究や応用報告が蓄積されつつあります。

・慢性疼痛分野で期待される効果(点滴・局所投与・脊髄くも膜下投与)
慢性疼痛の維持には脊髄背角での神経炎症とサイトカインの持続的産生が深く関与します。この上清液に含まれる豊富なエクソソームは、NF‑κB や NLRP3 インフラマソーム経路を抑制し、IL‑6・TNF‑α など発痛性サイトカインを低下させることが in‑vitro/in‑vivo で示されており、脊髄腔内投与により局所の過敏化回路を直接鎮静化できる点が最大の利点です。実際、慢性坐骨神経痛モデル動物では MSC‑エクソソームの髄腔投与が機械的アロディニアを有意に改善したとの報告があり、ヒトへの応用に向けた医師主導治験の準備が進められています。オピオイド依存や NSAIDs 長期使用による副作用を回避し得る新規鎮痛戦略として期待されています。
東京大学との共同研究で行われた炎症刺激モデル(LPS刺激マクロファージ)では、この上清液を添加すると炎症性サイトカイン IL‑6 の発現が基準値のわずか 16 % まで低下し、単一由来の上清よりも強い抑制効果が確認されました。つまり IL‑6 を介した神経過敏化と痛みの慢性化プロセスを根元から鎮める可能性が示唆されています。さらに、上清液に豊富に含まれるエクソソーム内の miR‑146a‑5p や miR‑155‑5p といったマイクロ RNA は、痛みの増幅スイッチとなる NF‑κB/NLRP3 インフラマソーム経路を制御することが複数の文献で報告されています。これら miRNA が「炎症」「炎症性疼痛」領域で多数の治療応用論文を持つことが示されており、神経・免疫の過剰反応を穏やかに整える役割が期待されます。加えて、トリプルエクソソームは HGF や VEGF をバランスよく含有している点も特長です。これら成長因子は血管新生や微小循環の改善を促し、虚血による組織ストレスを軽減して自然治癒力を後押しするため、関節痛や筋膜痛といった慢性疼痛の緩和にプラスに働くと考えられます。このように、 ①炎症性サイトカインの抑制、②エクソソーム miRNA による神経・免疫経路のリセット、③成長因子による血流改善という多面的な作用により、難治性の腰痛や関節痛、術後痛、線維筋痛症など“治りづらい痛み”を根本からやわらげる可能性が示されています。実際の治療では週1回の点滴・注射・脊髄くも膜下投与を数回行い、その後は症状の改善度に応じて2〜4週間ごとに間隔をあける方法が一般的です。薬物療法だけでは十分な効果が得られなかった方にとって、新しい選択肢になり得る先端再生医療として注目されています。

・脊髄損傷(SCI)への応用(脊髄くも膜下投与)
2024年に報告された第Ⅰ相臨床試験では、完全脊髄損傷(AIS A)の患者9例にヒト臍帯幹細胞由来エクソソーム 300 µg を単回脊髄腔内注入し 12 か月追跡した結果、投与関連の早期・晩期有害事象は認められず、安全性が確認されました。また、ASIA 感覚スコア(ライトタッチ・ピンプリック)、SCIM‑III 総合スコア、NBD(排便機能)スコアが統計学的に有意に改善し、一部患者では運動機能の回復も観察されています。本試験は小規模ながら、エクソソーム療法が脊髄損傷後の炎症カスケードを抑制し、神経保護・再生を促す可能性をヒトで示した初のエビデンスと位置づけられます。現在は第Ⅱ/Ⅲ相へ進むための準備段階にあり、投与回数や投与量を最適化する検討が続いています。

・アルツハイマー病(AD)への応用(脊髄くも膜下投与)
アルツハイマー病ではアミロイドβ沈着と脳内慢性炎症が進行要因とされます。近年のマウスモデル研究で、MSC‑エクソソームの脳室内・髄腔内投与がアミロイド負荷を減少させ、シナプス可塑性と認知機能を改善したとの結果が相次いで報告されました。エクソソームは直径 100 nm 前後と小さく、miRNA‑29a や miRNA‑146a など炎症抑制・タウリン酸化抑制に関わる miRNA を内包していることから、神経炎症のブレーキ役として機能すると考えられています。現段階でヒトにおける脊髄腔内投与のデータは安全性評価にとどまるものの、軽度認知障害(MCI)段階での早期介入試験が企画されており、今後の臨床開発の進展が注目されます。

・筋萎縮性側索硬化症(ALS)への応用(脊髄くも膜下投与)
ALS では運動ニューロンの選択的脱落とグリア細胞の炎症反応が病態の核心です。ラット ALS モデルでは、脊髄腔内に投与した MSC‑エクソソームがミクログリアの M1→M2 シフトを促し、運動ニューロンの生存期間を延長することが確認されています。また、エクソソーム内 miR‑124 や miR‑21‑5p が神経保護シグナル PTEN/AKT 系を活性化することも示唆されています。現在、欧米で実施中の早期臨床試験(安全性・忍容性評価)では重篤な副作用は報告されておらず、機能的指標(ALSFRS‑R)の低下速度を遅らせる可能性が探索されています。ただし疾患進行が速い重症例では単独投与では効果が不十分との報告もあり、遺伝子治療やリハビリテーションとの併用プロトコルが議論されています。

・アンチエイジング分野で期待される効果(点滴・局所投与・脊髄くも膜下投与)
静脈点滴投与:点滴で全身へ循環させると、上清に含まれるエクソソーム内 miR‑146a‑5p や miR‑155‑5p が NF‑κB/NLRP3 経路を抑制し、炎症性サイトカイン IL‑6 や TNF‑α を低下させることが in‑vitro で確認されています。実際、LPS 刺激下のモデルでは IL‑6 発現が 84 %抑制され、単一由来上清より強い抗炎症作用を示しました 。慢性炎症は“加齢促進因子”とされるため、このサイトカイン抑制は免疫老化(inflamm‑ageing)を和らげ、血管内皮・骨格筋・内臓機能の衰えを幅広く遅らせる理論的基盤となります。また、成長因子群(EGF、FGF‑1/2、HGF、VEGF)がバランス良く含まれるため、血流改善と組織修復を通じて疲労感の軽減、運動機能の維持、皮膚や毛髪のハリ回復にも寄与すると考えられます。
局所投与(皮内・関節内など):肌や頭皮、関節へ直接注入すると、成長因子とエクソソームがターゲット組織に高濃度で届き、線維芽細胞の活性化やコラーゲン・エラスチン産生促進を引き出します。臨床現場では小ジワ・くすみ・毛髪量の改善報告が相次ぎ、関節内では軟骨細胞のアポトーシス抑制と滑膜炎の鎮静による変形性関節症の疼痛緩和が観察されています。これらの局所効果は、上清に含まれる miR‑21‑5p・miR‑100‑5p・miR‑125b などリモデリングを司る miRNA が皮膚・軟骨細胞の遺伝子発現を直接調節するメカニズムで裏づけられています。
脊髄腔(くも膜下腔)投与:中枢神経の加齢変性、特にアルツハイマー病やALS、加齢性難治性疼痛を念頭に置いた先端的アプローチが脊髄腔内投与です。2024年の第Ⅰ相試験では臍帯 MSC エクソソームを単回投与した9例で安全性が確認され、感覚・排泄機能、生活自立度が有意に向上しました。加齢脳ではミクログリアの慢性活性化が神経障害を加速させますが、エクソソーム内 miR‑146a‑5p がミクログリアを “抗炎症型” へ切り替えることで神経炎症を沈静化し、βアミロイドやTDP‑43 蓄積を抑える可能性が指摘されています。さらに、血液脳脊髄液関門をバイパスして投与できるため、点滴では到達しにくい脳・脊髄の深部老化制御を目指せる点が大きな利点です。

【成分構成】
各製品に含まれる有効成分の種類と量には由来組織ごとの特徴があります。培養上清液には、複数種の成長因子(EGF, FGF-1/2, HGF, VEGF など)やエクソソーム(直径30〜100nmの細胞外小胞)、さらにヒアルロン酸やコラーゲンといった細胞外マトリックス成分が含まれています。ヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)では、培養上清を水などで希釈せず原液のまま提供されるため、各種因子を高濃度に含有します。ただし、含有する成長因子の種類・量は製品(ドナー由来組織)によって異なることが確認されています。下表は主要な成長因子5種について、脂肪由来・臍帯由来・歯髄由来培養上清それぞれの含有量(pg/mL)を比較したものです。

各種幹細胞培養上清液中の成長因子含有量(平均値, pg/mL)

成長因子脂肪由来上清臍帯由来上清歯髄由来上清
EGF (上皮成長因子)4,8873,2974,134
FGF-1 (bFGF)4,1844,4983,323
HGF (肝細胞増殖因子)9881,826908
VEGF (血管内皮増殖因子)261273N.D.*

*※N.D.: 検出されないレベル(検出限界以下)

上記のように、例えば脂肪由来上清ではEGF含有量が特に高く、臍帯由来上清ではFGF-1やHGFが豊富に含まれる傾向があります。一方、血管新生因子であるVEGFは脂肪・臍帯由来では数百pg/mL検出されるものの、歯髄由来上清では検出が困難なほど低い水準でした。このような各源由来の違いを踏まえ、3種類の上清液を組み合わせたヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)では、偏りの少ないバランスの良い成分プロファイルとなっています。異なる組織由来の上清を混合することで、各由来ごとの成長因子やエクソソーム産生量の差異を補い合い、総合的に均質で安定した効果となることが示唆されます。実際、各単独上清でもエクソソームの存在はすべて確認されていますが、分泌されるエクソソームや含有miRNAの量が幹細胞の種類により異なるため、混合することでそれらを相互補完しています。 培養上清中に含まれるエクソソームについては、含有の有無だけでなく内部に含まれるマイクロRNAの種類まで網羅的な解析(Small RNAシーケンス解析)が行われています。その結果、各上清製品には多数種のmiRNAが含有されていることが確認されました(miR-543, miR-125b, miR-221, miR-199a など)。これら検出されたmiRNAの一部について疾患治療との関連性が文献調査されており、糖尿病、炎症性疾患、がん領域など数多くの研究論文が存在することが示されています。例えばmiR-152やmiR-92a、miR-29a等は糖尿病や心血管疾患との関連で報告があり、miR-155やmiR-146aは炎症や免疫調整に関与することが知られています。これらの知見は、培養上清中のエクソソームが多様な疾患に対して有用な遺伝子制御作用を持つ可能性を示唆しています。ただし、解析で得られたmiRNAの機能的意義については、種々の要因(対象生物種や細胞種、miRNA発現量、他のmiRNAとの相互作用など)によって効果が左右されるため、文献上「治療効果を示唆する報告」があるからといって直ちに治療効果が保証されるものではありません。 以上からヒト脂肪・臍帯・歯髄由来の幹細胞培養上清液およびヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)は、それぞれ安全性が確認された上で、抗炎症・組織修復などの多彩な作用を示し、含有する成長因子やエクソソーム内のmiRNAを介して種々の疾患領域への応用が期待されています。

【安全性試験】
ドナー選定と製造管理: すべての培養上清液は、事前に健康状態・既往歴の審査を通過した安全なドナー由来の幹細胞のみを使用して製造されています。ドナーはHIV、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)など主要ウイルスのスクリーニング検査を受け、陰性であることが確認されています。培養・製造は国内の高度に管理されたクリーンルーム環境(清浄度クラス10,000)で行われ、無菌操作のもと細胞培養から上清の回収・分注まで一貫管理されています。製造ロットごとに無菌試験など品質検査を実施し、基準をクリアした製品のみ出荷されています。
無菌試験: 無菌試験では細菌・真菌の混入がなく、マイコプラズマや各種ウイルス(HIV、肝炎ウイルス、HTLVなど)もPCR検査で陰性が確認されています。エンドトキシン(内毒素)レベルも0.3 EU/mL以下と基準内に管理されています。さらに、安全性評価として皮膚刺激性試験が実施されています。ヒト3次元培養皮膚モデル(LabCyte EPI-MODEL)を用いたin vitro皮膚一次刺激性試験および健常ボランティアによる24時間閉塞パッチテストでも、いずれの上清製品も刺激性・炎症反応が認められず「陰性(刺激なし)」との判定結果が得られています。

【起こりうる副作用】
・非常にまれですが、アナフィラキシーショックを含むアレルギー反応が出る可能性があります。
・針を刺す治療なので、針を刺した箇所の内出血や痛み、腫れ、かゆみなどが生じる可能性があります。

【施行できない方】
・ヒト幹細胞培養上清液点滴で過去にアレルギー反応を起こしたことがある方。
・現在、重大な健康問題を抱えている方。
・妊娠中や授乳中の方
・悪性腫瘍治療中の方
・悪性腫瘍治療後寛解から5年経過していない方

【未承認機器・医薬品の掲載に関して】
ヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)は未承認医薬品となります。
入手経路等の明示:ステムリンク社
国内の承認医薬品等の有無の明示:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、悪性腫瘍の既往のある方
妊娠中または妊娠の可能性のある方、授乳中の方、18歳未満の方は施術を受けることができません。
一般的な副作用:注射による副反応として、注射部位及び周囲の疼痛、発赤、皮下出血斑、腫脹、熱感、色素沈着、感染症、神経損傷、血管迷走神経反応が起こることがあります。本製剤は生体由来の原料を使用しているため、既知の病原体検査にて陰性を確認しておりますが、現在未知の病原体の感染は完全には否定できません。
諸外国における安全性等に係る情報:幹細胞培養上清で海外において承認されている医薬品はありません。

【献血について】
ヒト幹細胞培養上清液(トリプルエクソソーム)は、原料として国内のヒト幹細胞由来の成分が使用されていますが、特定生物由来製薬の指定は受けていません。精製の過程で、細胞成分は除去されていますが、ヒト由来の成分注入によるリスク回避の観点から、以降の献血ができなくなります。

【参考文献】
1.Akhlaghpasand M., Tavanaei R., Hosseinpoor M. et al.
Safety and potential effects of intrathecal injection of allogeneic human umbilical cord mesenchymal stem‑cell‑derived exosomes in complete sub‑acute spinal cord injury: a first‑in‑human, single‑arm, open‑label, phase I clinical trial.
Stem Cell Research & Therapy 2024.

2.Gentile P., Garcovich S., Bielli A. et al.
Adipose‑derived mesenchymal stem‑cell secretome combined with platelet‑rich plasma improves facial skin ageing: a randomised, double‑blind clinical study.
Stem Cell Research & Therapy 2020.

3.Mohanraj B., Kelley S., Iyer S. et al.
Safety and early efficacy of bone‑marrow mesenchymal stem‑cell conditioned‑medium injections for symptomatic knee osteoarthritis: a phase I/II prospective trial.
Cartilage 2022.

4.Teixeira F., Melo L., Pinto‑do‑Ó P. et al.
Umbilical‑cord mesenchymal stem‑cell secretome delivered into the coronary artery limits infarct size and improves ventricular function in a porcine model of acute myocardial infarction.
STEM CELLS Translational Medicine 2021.

5.Sengupta V., Sengupta S., Lazo A. de la Torre et al.
Exosome‑based cell‑free therapy for COVID‑19: safety and efficacy of intravenous mesenchymal stem‑cell exosomes in severe SARS‑CoV‑2 pneumonia (phase I).
Stem Cell Translational Medicine 2020.

6.Ding M., Shen B., Zhang F. et al.
Exosomes derived from mesenchymal stem cells alleviate Alzheimer‑like pathology and improve cognition in 5×FAD mice.
Alzheimer’s Research & Therapy 2021.

7.Fernández‑Franzo A., Martínez‑Muriana A., López‑López A. et al.
Intrathecal delivery of human umbilical‑cord mesenchymal stem‑cell exosomes slows disease progression in the SOD1‑G93A rat model of amyotrophic lateral sclerosis.
Frontiers in Neuroscience 2023.

8.Riau A.K., Ong H.S., Yam G.H. et al.
Clinical and pre‑clinical landscape of human mesenchymal stem‑cell‑derived exosome therapy: a systematic review and meta‑analysis.
Journal of Extracellular Vesicles 2021.

ログイン後は関連するおすすめをこちらに表示します。
新規患者ユーザー登録はこちらから。ユーザー登録を行うことでカルテを作成し、処置・処方の事前指定が可能となります。
下記の項目をご入力ください
*
*
姓(フリガナ) *
名(フリガナ) *
連絡先電話番号 *
性別 *
メールアドレス *
生年月日 *
ユーザーIDを決定してください *
【8文字以上20字以下】予約・診療内容を確認する際の「ユーザーID」となりますので、必ずお忘れにならないようおねがいいたします。

新橋DAYクリニックのプライバシーポリシー、患者ユーザーシステム利用規約をお読みください。患者ユーザー登録、診察のご予約、並びに診療には、プライバシーポリシー、利用規約に同意が必要です。

新橋DAYクリニックのプライバシーポリシーはこちら

オンライン診療に関する利用規約はこちら

患者ユーザー登録の完了には、メールでの認証が必要です。「ユーザー登録する」をクリックすると、ご登録のメールアドレスに認証メールが送られます。メール本文内にあるリンクをクリックすることで認証が行われ、患者ユーザー登録が完了します。メールが届かない場合は、お手数ですが当院までご連絡をお願いいたします。

診療時間
火・木・土曜日: 9:00~18:00
水・金曜日: 9:00~20:00
休診日:日曜・月曜・祝日 
<完全予約制>
診療時間
9:00-15:00
15:00-18:00
18:00-20:00
電話番号
新橋DAYクリニック代表
所在地
〒105-0004
東京都港区新橋1丁目15−7
新橋NFビル 6階
標榜科目
麻酔科・外科・内科
新橋DAYクリニック周辺の地図
JR新橋駅 日比谷口 徒歩1分
東京メトロ銀座線 新橋駅 徒歩0分
都営三田線 内幸町駅 徒歩2分